photo by q-ta
生ではまだ見ぬ聞かぬのエレクトリック・クンビアを求めて、川を超え沼を越え、はるばるたどりついたカフェ・ド・パリ。ソウル・フラワーや渋さという、オーディエンスをせきとめるダムを乗り越えなければ、ディック・エル・ディマシアードの変態クンビアは聞けないという……なんという試練か。
見た人は忘れられないだろう、ステージにCDJとサンプラーを並べ、マイク2本をかわるがわるしゃぶるようにトースティングする、ガイコツ衣装を着た50過ぎのおっさん……。サンプラーを操るのはそんなどぎつすぎる本人ではなく、日本で見つけた(?)助手であり、ディックと彼のオヤジは同い年だという。そんな彼らのコミュニケーションはといえば、言葉ではなく雰囲気が中心。表情と、相づちがすべてだが、ピッタリと息はあっている。
地下世界からフジロックというフェスに繰り出して高みへと昇る……わけもなく、マニアックなトラックに電子音やらラッパの音色にがなり声が被さり、そこに強烈なディレイが加わりテントの中を彷徨う。そのグルーヴたるや、どこを切っても酩酊していて、トリップ感覚を味会わせてくれる。オレンジを蹴っ飛ばした猛者たちは、子供のようにはしゃぐディックに、脳の中枢をすすられに来たと言ってもいい。
あさっての方向から飛んできたサイケはサイコで最高に最低な、裏ベストアクト。意識を異空間へと飛ばす力はダントツだった。人に話すときは前置きとして、「いやぁ、実はね……」そんな言葉をつけてしまいそうなほどに濃厚で悪酔い必至、一度ハマれば抜けられない沼地。ざわ……ざわ……と押し寄せる胸騒ぎ、『カイジ』の世界がそこにはある。
reported by org-tiki
1 Response to DICK EL DEMASIADO
straight from the source
4月 3rd, 2014 at 7:29 AM
fantasia e-hookah » DICK EL DEMASIADO FUJIROCK EXPRESS ‘09