
新人の登竜門といったキャッチ・フレーズがよく謳われるROOKIE A GO-GOだが、近年は数々のバンドがその言葉の意味を実証している。前身のイベントであるLevi’s NEW STAGEから数えると、くるりやサンボマスター、ASIAN KUNG-FU GENERATIONはグリーンステージの地を踏み、SAKEROCKや髭といったバンドも場内ステージへと殴り込みをかけた。また、今年の春に惜しくも活動休止となってしまったが、反骨の精神で骨太のロックを聴かせてくれた犬式、破竹の勢いでロックンロールを奏で続けるザ50回転ズなど、際立った個性を持つバンドが数多く出演した歴史もある。知名度の差こそあれど、実力的には場内の出演者とそう変わらない猛者が集う場所でもあるのだ。そういった未知のバンドに出会いたいという気持ちから、ここ数年は必ずルーキー・バンドをチェックするようにしている。前置きが長くなってしまったが、今年個人的に注目していたのがこの泰山に遊ぶ。個性的なネーミングはスタイルにも直結しているようで、中華風のメロディーにダブ処理を施したユニークな音楽性をもつ。楽器編成も面白く、女性ボーカルをフロントに据え、ドラム、ベース、ギターといったリズム隊の他、アコーディオンやフィドル、バンジョーといったメンバーもいるという。
グリーンステージでははWEEZERが終わり、入場ゲートを抜けて帰路に着くオーディエンスも多い。パレス・オブ・ワンダーは他の曜日であれば酒飲み客で溢れる場所なのだが、最終日ということもあり、立ち寄って行く人の数が明らかに少ない。前日までのバンドと比べて不利な状況に置かれたということは否めないだろう。それでも、そんな不利な状況を巻き返してくれるだけのパワーを、このバンドには期待していた。いざ演奏がはじまると、フロントには女性ボーカルの他,奇妙な踊りをみせる男のダンサーが姿をみせる。お世辞にもうまいとは言えないダンスを曲に合わせ、オーディエンスを盛り上げようと奮闘していた。そんなフロントのテンションとは対照的に、冷静な佇まいをみせるのがバックを努めるメンバー。マイペース演奏に徹するメンバーもいれば、ドラムを囲むようお面をかぶって静かに立ち尽くすメンバーの姿もある。1〜2曲終わった段階での感想は、ただただ「奇妙」といったところか。
後半についてまとめていきたいところだが、その結果から先に書きたい。それは「残念」のひとことに尽きる。まずはフロントの男性ダンサー。パフォーマンスとしての見せ方は学芸会の域を出ておらず、ゆえにオーディエンスを巻き込むまでの力はない。また、後半にお面をかぶったふたりのメンバーが飛び出してくるシーンがあるのだが、ここでも見た目以上の迫力や勢いを感じることはできなかった。演奏自体は決して悪くはないのだが、中途半端な見せ方がもたらす負の連鎖によって、ライブ全体がメリハリのない平坦なものに感じられた。最終的に残った印象は、身内ノリでバンドだけが盛り上がっている姿。期待していただけに残念な結果だった。
後で知ったのだが、このバンドはROOKIE A GO-GOのアフター・パーティーへとつながるインターネット上のファン投票では1位を獲得したそう。先にも述べた通り、曲や演奏そのものは決して悪くはないし、大衆に訴える力も秘めているのだと思う。だが、その伝え方があまりにも不器用で、自身の魅力を伝え切れていないという点は、非常にもったいないように思えた。
reported by org-funa
2 Responses to 泰山に遊ぶ
ROOKIE A GO-GO AFTER PARTY レポート | fujirockers.org
9月 1st, 2009 at 11:30 AM
[...] フジロックのルーキー・ア・ゴー・ゴーは、ブレイク前のバンドが登場するステージとして、すっかりお馴染みだし、例年8月後半におこなわれる、ルーキー・ア・ゴー・ゴーのアフターパーティーもお馴染みとなりつつある。今回は、8月21日に下北沢ガーデンでおこなわれ、ボウズマンズ、泰山に遊ぶ、マヒルノ、そしてゲストという形でa flood of circleが登場した。 [...]
フジロック写真 « 泰山に遊ぶ
2月 17th, 2010 at 6:18 PM
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