WHITE LIES
08 / 2
at 11:22 pm
フェスティバルで思い出される風景というと思い出されるのは何か。フジロックにたびたび参加出来ている僕が思い出すのは、ピーカンの青空の下で繰り広げられるいろいろというよりも、何より今日の空のように分厚く白い雲がかかった空と、濡れ濡れた地面で聞くロックなのかもしれない。
シンプルなつくりの今年のグリーンステージ現れた2番目のアクトは、モノトーンの衣装に身を包んだ若者たち、ホワイトライズ。昨年の登場に比べて本国のメディアの扱いも、フジでのステージの規模も大きくなっての登場である。咋月のグラストンベリーでは大合唱が起こっていたとも聞く。スカパラによって踏み慣らされた地面の上に立つオーディエンスを前に、何を見せてくれるだろうか。
ステージ上は、好青年然とした見た目と裏腹に無機質なたたずまいがある。オフィシャルサイトでサマーフェスティバルの出演群をして「SUMMER OF DEATH」と銘打つほどコンセプチュアルさを同様に醸し出し、演奏以外はほぼ余分な動きを見せない彼ら。完成したセルフタイトルのアルバムの曲を中心に、80年代文科系ロックの影響を色濃く受け継いだサウンドを展開していく。周波数の高い金属的なシンセサイザーの音や、生音の臨場感よりも「すわ打ち込みか」とすら思わせる的確で無表情なドラムなど、サウンドスケープも白と黒で彩られた世界だ。
ただしここは自然を舞台としたフジロックフェスティバル。不意に始まる「To Loose My Life」からのサビへの展開や、昨年ロックキッズをトリコにした「Unfinished Business」や、ニューシングル「Death」における透明感のあるメロディーは、有機的なものとして、山々をぬらりと横切る白い雲に融けていった。それをもってして、彼らを死や退廃的なものとして見る事は難しい。最後まで顔を見せなかった太陽の代わりに、ステージ上に白い炎の煌めきを感じた。
reported by org-debu
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