Photo by Tsuyoshi Ikegami
3年ぶり2度目のフジロック出演となるトラッシュキャン・シナトラズ。前回は初出演にも関わらず、2日間に渡りジプシーアヴァロンとオレンジコートでライブを見せてくれた。小雨降る中でのステージだったが、優しい音楽と静かに降る雨がぴったりとはまり、とても素晴らしいステージだった。だから、今回のステージがレッドマーキーだという事は少し残念な気もしていて、会場の雰囲気がどうなるのか不安でもあった。
そんななか、いつものメンバーが登場。ちょっと神経質そうに見える黒ブチ眼鏡をかけたフランシスが、愛をテーマにした4年半ぶりのアルバムから、切ないラブソング “I Wish You’d Met Her” をうたう。隣で優しく微笑みながら客席を見つめるギターのジョン。いつもと変わらない。そうだった。トラキャンは、聞く場所がどこであっても、年月がどれだけ経っていても、変わらないでいてくれるのだった。いつでも優しく暖かい歌を届けてくれる。だからファンも変わらずに見守っている。この暖かい空気に、嬉しくて顔が自然にニヤケてしまう。
ニューアルバムを中心に美しい曲が次々と演奏されていき、 “Prisons” では、最後をジョージ・ハリスンの “My Sweet Lord” に繋げワンフレーズ歌ってみせた。また、シド・バレットに啓発されて書いたという “Orange and Apples” では、フランシスがメンバーひとりずつと顔を向き合わせながらギターを弾いていく。キラキラとしたメロディーとともに、穏やかな幸せが会場全体を包む。
“People” そして “The Engine” へと続き、ライブは終わった。エンジンについて「いつでもスムーズに回転し続ける」とフランシスが言うように、トラキャンもいつまでもここにいてくれるに違いない。
reported by org-maru
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