Photo by Makiko Endo
いつぞやの伝説以来となった、スカ祭り@フィールド・オブ・ヘヴン。ザ・スキャタライツ、リコ・ロドリゲスといったレジェンド達はおらずとも、かつて、それを体験した者は思いを重ねずにはいられないのではないだろうか。日本におけるジ・アグロライツの初ライヴは、そんな伝説の遺伝子を受け継ぐ、スカ・フレイムス、クール・ワイズ・メンといった面々に挟まれる形で、流れとしては申し分なし。全身黒尽くめの強面連中はまるで西海岸のギャングのようで、相応のふてぶてしさもあり、「どんと来い!」なオーラを立ち上らせていた。
ソウルの影響を色濃く受けた裏打ちのビート。モッズはもちろんのこと、ランシドのティム・アームストロングが展開する、「ヘルキャット」レーベルから音源をリリースしていることもあり、パンクスもがっつり取り込んでいる。なにより、ティム自身が「最も影響を受けているバンド」として彼らを挙げているせいで、ステージ前には、あれやこれやのフェス対策よりもポリシーを貫くパンクスの姿があった。
ジ・アグロライツの得意とするところは、ジャマイカの裏打ちの中でも最も硬くて乾いた、ハモンドオルガンが小気味よく響くスキンヘッド・レゲエ。ラスタカラーを発するレゲエの中にあって、ターゲットマークのトリコロールカラーを思わせるサウンドだが、そこに、不良然としたたたずまいに相応しい、ザラついたストリートの息が絡んでくる。”ダーティ・レゲエ”で頂点を迎えたワルの音は、腕を振り上げるモンキーダンスの群れを生み、針をレッドゾーンまで上げきったところで、ザ・ビートルズの”ドント・レット・ミー・ダウン”でオーディエンスと大合唱。あるがままに、ワルがままに振る舞ったジ・アグロライツは、日本の不良、スカフレイムスへのリスペクトを述べ、バトンを渡していった。
reported by org-tiki
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