The Birthday

The Birthdayがフジロック二日目のグリーンステージの一発目を飾るちょうど三日前のことだった。「元ミッシェル・ガン・エレファントのギタリスト、アベフトシが急性硬膜外血種のため死去。」というニュースが流れた。もしかしたら出演キャンセルもあり得るかもしれないと思ったが、昨日の大雨が嘘のような日差しが突き刺さる朝のグリーンステージにThe BirthdayはいつものSEで現れた。全身真っ黒に身を纏ったチバユウスケが「今日のライブは俺達の大親友だったアベフトシに捧げます。」と口を開き演奏が始まる。

スローなロックンロールバラード「カーニバル」で幕を開けたライブの二曲目は「涙がこぼれそう」。この時チバが感極まったのか詰まっただけかわからないが、「立ちたくなかった、どうにでもなればいいって」の所でマイクから顔を一瞬外し、少し笑いながら「イェー」と言った。

中盤の「夢を見ようぜ」まではいつものThe Birthdayのライブだったが後半の「カレンダーガール」から始まり「マスカレード」、「アリシア」の畳み掛けは圧倒的だった。観客のテンションも一気にピークを迎え、最後は新曲で締めた。間のMCは澄んだ青空を見ながら「気持ち良いね。」と呟くように漏らしただけだった。

出演キャンセルもあり得るかもしれないなんて思う事自体が間違っていた。ライブはいつものThe Birthdayで、そのロックンロールをアベフトシに捧げる。他には何もいらなかった。The Birthdayの答えはいつもシンプルだ。

reported by org-deathmetal