Photo by Koji Chikazawa
世界にはいろんな音楽があり、僕らはほんの一部しか知らない。アルタン・ウラグなど、モンゴルという先入観から牧歌的なものをイメージしていたが、ふたを開けてみれば、目から鱗のオルタネイティヴ・ミュージックだった。
ウッドベースと、中国の二胡のような弦楽器のヘッドには、映画『エイリアン』シリーズでおなじみのギーガーのような彫刻が施され、ボディは矢印か棺桶のような形。そんなアレンジをする民族とは思いもよらなかったし、情報の乏しさというのは損こそしないが、世界に転がっている面白いものを取りこぼしているようで、いくらかもったいない気がする。
ステージ中央には、猫じゃらしのような形のしなるスティックで弦を叩く楽器があり、スティール・パンのような澄んだ音色を響かせている。ドラムスはけたたましい乱打で攻め、ホーミーとラッパが浮遊している。生演奏で繰り広げられる人力トランスは、パレスのテントを狂乱の渦に巻き込み、それこそ、音楽というフォーマットの上で、飛ぶ鳥落とすチンギス・ハンからフビライ・ハンに至るモンゴル帝国の勢いを体現しているかのようだ。
馬を駆け、中国はもちろん遥かヨーロッパにまで勢力を拡大したモンゴル。相撲でも音楽も例外ではなく、テント脇で行われていたサーカスの如く、驚くべき瞬発力ててっぺんへと駆け上がる。元寇では神風が吹いて、元の軍を蹴散らしたというが、今回は違った。フジロックという追い風が吹き、得体の知れないバンドとオーディエンスをつないだのだ。
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reported by org-tiki
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