
Photo by Makiko Endo
ブルーズは、演者の人生そのもので鳴らされる音楽だと思う。バンドもまた人生のようなもので、楽しい時間も試練の時間も、すべて呑み込んで転がっていく。
終日雨が降り続いた初日から一夜が明けて、強い日差しが射し始めたフジロック二日目。等身大の血と涙と笑顔のブルーズが、今まさに目の前で、現在形として鳴らされていた。
「おはようございます、フジロックの朝一発目をまかされました、ア・フラッド・オブ・サークルです!」
気合いを入れるかのように、ヴォーカル&ギターの佐々木亮介が、ガンガン床を蹴り下ろし、そう叫んだ。ほぼ黒ずくめで現われた若者達は、昨夜の雨と喧騒の余韻で気だるい気分の朝の中、”シーガル”の音出し一発で、空気を硬質なものに、変えた。
「楽しんでますか?」
この問いかけに、歓声による即答で応えられると、「……そらぁ、そうだ。」と納得しつつ笑みをたたえる佐々木。
それは突然の出来事だった。2006年に結成され、今年四月にデビューした彼らは、二十代そこそこの若さでブルーズやルーツ・ロックの匂いを振り撒き、それ自体が強烈な存在感を放っていた。そしてまさにフジロック出演を控えた今年、ツアーのファイナルをメンバー四人で迎える予定だったのだ。が、直前になって、ギタリストがライヴに出演不能になるというアクシデントに見舞われる。
彼らにとって、試練の時期なのかもしれない。でも、だからこそ、サポートメンバーを加えても果敢にレッドマーキーに立つ彼らの演奏は、決意や痛みや希望に満ち、絞り出すような唄声の背負う思いの大きさは、半ば乱暴とも言える勢いで聴く者の心を掴み、揺さぶりかけてくる。
「フジロックのパンフに、自分のことは自分でって書いてあったと思うんですけど。厳しい言葉に聞こえるけど、でも同時に楽しいことも、そうなんだと思っています。」
二年前、彼らはルーキー・ステージに立っていた。佐々木はさらに続けた。
「僕たちがルーキー・ア・ゴーゴーに出た時はですね、床を踏んづけたら反り返って……。今日はしっかりしてる! 俺も、皆さんに負けないくらい楽しんで帰りますので。」
ライヴの最後に演奏された”象のブルース”では、熱演に対してしっかりとした観客とのコール&レスポンスが起きていた。一歩踏み出したその足は、痛みを持っているかも知れない。けれど、同じくらい大事な何かも新たにしっかりと掴みかけ、転がり続けている。そのことを証明してくれたような、生々しいステージだった。
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reported by org-jet-girl
1 Response to a flood of circle
ROOKIE A GO-GO AFTER PARTY レポート | fujirockers.org
9月 1st, 2009 at 11:30 AM
[...] に降りかかるトラブルと闘う佐々木の真摯な姿が印象に残る。詳しくはフジロック・エクスプレスのレポートを見てもらいたい。エクスプレス・スタッフの中でもフラッドの人気は高く、 [...]